RSウイルス感染症とは
RSウイルス感染症は、RSウイルスに感染することによって起きる呼吸器の感染症です。
生まれたばかりの赤ちゃんから、高齢者まで感染します。
2歳までに100%の子どもがかかり、症状は軽い風邪から重い気管支炎や肺炎の症状まで様々です。
産まれてから6か月以内の赤ちゃんの免疫は未成熟でありRSウイルスに感染すると重症化することがあり注意が必要です。
また、RSウイルスに効果的な特効薬もなく、重症化した場合は酸素吸入や点滴による治療のため入院が必要となります。
2歳までに100%の子供がかかる風邪ウイルス…と聞くと大したことがなさそうに見えますが、決してあなどれません。
全世界の1歳未満の急性下気道炎による死亡の3分の1を占め、
新興国を中心に約25万人の赤ちゃんがRSウイルスにより命を落としています。
母子免疫ワクチンが登場
生後数か月の間、赤ちゃんが感染症にかかりにくいのは、胎盤やへその緒を通じて抗体の一部を受け取って生まれてくるからです。
このことを「母子免疫」といいます。
これまで、RSウイルスの重症化リスクが高い赤ちゃん(未成熟児や早産児、ダウン症や心疾患のある赤ちゃん)へ対して、生まれたあとにRSウイルスの抗体を毎月注射する予防方法が取られてきましたが、毎月の接種は負担も大きく、健康な赤ちゃんへは保険適応がない高額な治療であるため、RSウイルスにより重症化する赤ちゃんは毎年多くいるのが現状です。
そこで、「母子免疫」の仕組みを利用した「アブリスボ」が2024年5月に発売されました。
妊娠中のお母さんに接種することで赤ちゃんのRSウイルス感染症に対する予防効果が期待されます。
アブリスボ接種の対象者
製造元であるファイザーによる接種対象者は
「24週~36週の妊婦さん」です。
しかしながら、日本産婦人科学会による赤ちゃんが十分に成熟する28週を待って接種する方が望ましいとの見解もあり、
接種後に母子免疫を獲得するまでに2週間かかることから、小田原マタニティクリニックでは28週~34週ごろの接種をお願いしています。
さいごに
小田原マタニティクリニックでも希望者に接種を行っています。
在庫確保の関係で、事前の予約をお願い致します。
接種するか迷っている方、小田原マタニティクリニックの医師・看護師・薬剤師にご相談ください。