「不妊治療で休職したい…」職場の休職制度(休暇)と企業の理解について

「不妊治療をしっかり受けるために休職したい…」

「仕事と不妊治療の両立が難しい…」

このようなお悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんか?不妊治療を受ける際、多くの人々が直面する問題の一つが仕事と不妊治療の両立です。不妊治療は時間やエネルギーを要するものであり、時には休職・休暇を必要とする場合もあります。

しかし、職場の休職制度や企業の理解が不十分な場合、治療と仕事の両立は難しくなります。今回は、小田原マタニティクリニック(オダマタブログ)より、不妊治療を受ける際の職場での休職制度(休暇)や企業の理解をテーマにお届けしていきますので、不妊治療のために休職したい…と思われている方はぜひご覧ください。

目次

不妊治療の現状

厚生労働省によると、不妊治療を受ける夫婦は増加しており、その背景には晩婚化や晩産化が挙げられます。不妊治療には、タイミング法、人工授精、体外受精、顕微授精などさまざまな方法がありますが、これらの治療はスケジュール調整をしなければならないため、仕事との両立に悩まれる方も少なくありません。

職場の休職制度(休暇)

不妊治療を受ける際に利用できる休職制度(休暇)には、有給休暇、病気休暇、特別休暇などがあります。それらについて詳しく見ていきましょう。

有給休暇

有給休暇は、労働基準法によって労働者の権利として認めた有給の休暇であり、有給休暇を取得しても賃金が減額されることなく、休むことができます。有給休暇の取得を正当な理由なく拒否することは違法行為にあたるため、それを利用して不妊治療に通うことが可能です。

しかし、有給休暇は限られており、長期的な治療には十分でない場合があります。

病気休暇

病気休暇は通常の有給休暇とは別に付与される休暇であり、傷病の療養目的で利用できるもので、不妊の原因である疾病の治療にかかる場合等で利用が認められています。

取得日数は企業ごとに異なりますが、有給休暇よりも長期的に取得できる場合も多く、治療に専念することができます。いわゆる「傷病手当」というものですね。

特別休暇

近年、一部の企業では不妊治療専用の特別休暇制度を導入する動きが見られます。この制度を利用することで、プライバシーを守りながら治療に専念することができます。しかし、まだ導入している企業は少なく、普及には時間がかかると考えられます。

また、企業側が出生支援休職制度といったものを制度として定めていない場合、休職できませんのでご注意ください。

フレックスタイム制度や短時間勤務制度等があれば柔軟な働き方が可能

会社によってはフレックスタイム制度やリモートワーク、短時間勤務制度といったものを取り入れているところもあります。このような制度が整っている会社であれば、治療のための通院時間を柔軟に調整することができ、治療と仕事の両立がしやすくなります。

まずは自身の会社の制度について調べてみること

「不妊治療で休職したい…、休暇を取りたい…、柔軟な働き方はできないだろうか?」と思えば、まずは自身の会社の制度について調べましょう。そして、上記で挙げたような制度がないかを労務担当に相談する際には、不妊治療連絡カードを利用するとスムーズです。

不妊治療連絡カードについて

不妊治療連絡カードは、不妊治療を受ける方が主治医等からの診断に基づいて、治療や検査に必要な配慮事項を企業の人事労務担当者に伝達するためのカードで、労働者と企業との間で円滑にコミュニケーションをとり、連絡を取りあうことを目的としています。

治療を受けている医療機関に不妊治療連絡カードを記載してもらう場合、無料で対応しているところもありますが、病院によっては有料対応の場合もあります。

参考URL:
https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/30.html

不妊治療を受けるうえで企業に理解してもらうためには

職に就きながら不妊治療を受けるうけるためには、そしてサポートを受けるためには、企業の理解が欠かせません。その理解を深めてもらうためには、さきほどの不妊治療連絡カードを使って職場に伝えたり、厚生労働省や自治体から、不妊治療の理解が得られるリーフレットが作成されていたりしますので、そのようなものを積極的に活用すると良いでしょう。

そして、企業側も理解を示すことで、社員は安心して治療に専念することができ、結果として業務効率の向上や離職の防止につながります。

まとめ:「不妊治療で休職したい…」職場の休職制度や企業の理解について

いかがでしたか?今回の内容としては、

  • 不妊治療を受ける夫婦は増加している
  • 不妊治療を受ける際には、職場での休職制度や企業の理解が重要である
  • 不妊治療で休職したい…という場合には、まず自身の会社の制度について確認すること
  • 自身の会社の制度を確認する際や状況を説明するうえで不妊治療連絡カードは役立つ

以上の点が重要なポイントでした。不妊治療で休職したい…と考える際には、自身が勤める会社の制度を確認し、不妊治療の理解を得ることが大切です。また、企業側は制度を整えることで離職防止にもつながりますので、企業と社員が共に協力し合いながら働きやすい環境を築いていくことが望ましいでしょう。

当院でもしっかりと休暇を取られている方が良い成果につながっています。

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