黄体機能不全とは?黄体機能不全でも妊娠は可能!

黄体機能不全は、不妊症や流産の原因となることがあるため、妊娠を望む多くの女性にとって重要な問題です。しかし、黄体機能不全を抱えていても、適切な治療や管理を行うことで妊娠が可能であることをご存じでしょうか。

今回は小田原マタニティクリニック(オダマタブログ)より、黄体機能不全をテーマに、症状や原因、妊娠は可能か?といった点をお届けしていきますので、ぜひご覧ください。

目次

黄体機能不全とは?

黄体機能不全とは、排卵後に形成される黄体が正常に機能しない状態を指します。黄体はプロゲステロンというホルモンを分泌し、妊娠を維持するために非常に重要な役割を果たします。

このプロゲステロンは、子宮内膜を厚くして受精卵の着床を促す働きがありますが、黄体機能不全によりプロゲステロンの分泌が不十分な場合、子宮内膜が十分に維持されず、妊娠が難しくなったり、流産のリスクが高まったりします。

黄体機能不全の原因

続いて、黄体機能不全の原因について見ていきましょう。

卵巣の機能低下

卵巣の機能低下によって卵巣が正常に機能しなければ、プロゲステロンやエストロゲンといった妊娠に必要な女性ホルモンに直接影響を及ぼしてしまいます。卵巣の機能低下は年齢や遺伝的な要因、手術や子宮内膜症による炎症といったものが挙げられます。

ストレス・生活習慣の乱れ

精神的・身体的なストレスは、ホルモンの分泌に影響を与え、黄体機能不全を引き起こすことがあり、そのほか睡眠不足や不規則な生活、過度なダイエットや肥満も、ホルモンバランスを乱す原因となって黄体機能不全につながる場合があります。

甲状腺機能異常など

甲状腺機能低下症や甲状腺機能亢進症などの甲状腺の異常、高プロラクチン血症など、それらが原因となって黄体機能不全となる場合があります。そのような場合には、まずは原因疾患の治療をおこないます。

黄体機能不全の症状

黄体機能不全の主な症状としては、月経不順、着床障害、不正出血といった症状があげられます。月経不順では、月経周期が不規則になり、遅れたり早まったりすることがあり、着床障害では、子宮内膜が十分に維持されないため、受精卵が着床しにくくなります。

また、黄体機能不全により、月経以外の時期に不正出血が起こることもあります。そのほか、黄体機能不全により、妊娠初期に流産するリスクも高まります。

黄体機能不全の診断方法

黄体機能不全の診断として、基礎体温を測定することで、排卵や黄体の機能を確認したり、排卵後の黄体期に血液検査を行い、血中プロゲステロン値の数値から黄体機能不全を確認したり、子宮内膜生検や超音波検査で評価します。

黄体機能不全の治療法

黄体機能不全の治療は、原因に応じて異なります。以下に一般的な治療法を紹介します。

黄体ホルモン補充療法

黄体ホルモン補充療法は、排卵後に黄体ホルモンを投与することで子宮内膜の維持をサポートします。また、必要に応じて排卵誘発剤を用いて排卵を促進させます。

ストレスの軽減・生活習慣の改善

精神的なストレスを軽減するためのリラクゼーション法やカウンセリング、規則正しい生活や適度な運動、バランスの取れた食事を心がけることで、ホルモンバランスを整えます。

当院では鍼灸も推しています。

黄体機能不全でも妊娠は可能!

黄体機能不全は、不妊や流産のリスクとなるということをお伝えしてきましたが、黄体機能不全があっても、適切な治療と管理を行うことで妊娠は可能です。また、治療にあわせて、前項でお伝えしたように生活スタイルを見直すことによって、黄体機能をサポートすることが可能です。

まとめ:黄体機能不全とは?黄体機能不全でも妊娠は可能!

いかがでしたか?今回の内容としては、

  • 黄体機能不全は黄体が正常に機能しない状態であり、妊娠や流産に影響を与えることがある
  • 黄体機能不全の原因としては、ホルモンバランスの乱れ、甲状腺機能異常、ストレスなどが挙げられる
  • 黄体機能不全の症状には、月経不順、着床障害、不正出血などが挙げられる
  • 黄体機能不全があっても、適切な治療を行うことで妊娠できる可能性は高まる

以上の点が重要なポイントでした。黄体機能不全は妊娠や流産に影響を与えることがありますが、治療によって妊娠の確率は高まります。当院ではデュファストンという飲み薬とウトロゲスタンという膣剤を使って治療しています。黄体機能不全によって妊娠が難しいのではないか…と悩まれていた方の力になれますと幸いです。

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