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フェリチン値とは
フェリチン値とは、血液検査で測定される体内の鉄分の貯蔵量を示す指標のことです。
妊娠中は母体にも胎児にも鉄分の需要が高まるため、妊婦さんには特に重要な値です。
特に妊娠中期以降は、胎児と胎盤が発達することで多くの鉄分が必要になり、体の中の鉄が不足している「鉄欠乏」や「鉄欠乏性貧血」を起こしやすくなります。
一般的な成人女性のフェリチン値は15~150 ng/mLが基準とされており、フェリチン値12~15ng/mL以下になると「鉄欠乏」とされています。
妊婦さんのフェリチン値60未満に要注意!隠れ鉄不足のサイン
フェリチン値60ng/mL以下は、一般的な成人女性の基準内ではありますが、妊娠中の場合は鉄分の消費量が多いため、基準内であったとしても貧血になるリスクが増加します。
また、妊娠中に鉄欠乏になると、母体の貧血症状だけでなく胎児の発育不良や低出生体重、早産などのリスクを高める可能性があります。
鉄分投与が必要とされる場合はどんなとき?
妊婦さんの鉄剤投与の適応は、主にヘモグロビン値(血液中に含まれるヘモグロビンの量を示す数値)やフェリチン値、患者さまのそのときの状態などから総合的に判断して決定されます。
フェリチン値が12~15ng/mL以下の場合
鉄欠乏と判断され鉄剤投与が強く推奨されます。
フェリチン値が60ng/mL以下の場合
鉄欠乏とは言えませんが、妊娠中に必要になってくる鉄分の量や、今後の鉄分の消費量のリスクを考慮し、特にヘモグロビン値が低すぎる場合は鉄剤を投与するのが一般的です。
まとめ
フェリチン値とは体内の鉄分の貯蔵量の値のことで、特に妊娠中の方は鉄の必要量が増加するため、フェリチン値が低いと母体と赤ちゃん両方に影響が出てしまいます。
フェリチン値が低い方は、鉄欠乏と診断され場合によっては鉄剤投与が重要になってくるため、妊婦さんは日頃から鉄分が足りなくならないように、レバーや赤み肉、緑黄色野菜などを積極的に摂取するようにしましょう。