男性不妊の検査とは?検査内容や流れを詳しく解説

不妊の原因が女性側にあると思われがちだった時代はすでに過去のものとなり、近年では不妊症の約半数は男性にも原因があるとされています。こうした背景から、男性不妊検査の重要性が見直されてきています。

妊娠を希望しているのに1年以上妊娠に至らない場合は、カップル双方が検査を受けることが勧められています。特に男性不妊の場合は、原因を正しく特定することで、適切な治療を受けられる可能性が高まります。

今回は小田原マタニティクリニックより、男性不妊の検査について、具体的な内容や流れ、検査でわかることまで丁寧に解説します。

目次

男性不妊検査で何がわかるのか

男性不妊検査では、精子の数や運動率、精管の通過性、ホルモンバランス、遺伝的な要因など、男性の生殖機能を総合的に評価します。検査結果によっては、生活習慣の改善のみで妊娠の可能性が高まるケースもあれば、専門的な治療が必要になるケースもあります。

不妊治療においては、女性側だけが治療を受けるのではなく、男性側も積極的に検査を受けることが、妊娠への近道となるのです。

男性不妊検査の基本ステップ

続いて、男性不妊検査の基本ステップを見ていきましょう。

1. 問診と診察

男性不妊検査の最初のステップは、問診と診察です。これまでの病歴、生活習慣、服用中の薬などについて詳しく確認されます。また、精巣の大きさや硬さ、陰嚢の状態、静脈瘤の有無などを診察によって評価します。

問診の段階で、特定の疾患や原因が疑われる場合は、必要な検査が選定されます。

2. 精液検査

男性不妊の診断で最も基本かつ重要なのが「精液検査」です。この検査では、精子の濃度、運動率、直進性、正常形態率、精液量、pH値などを測定します。精液は2〜5日の禁欲期間を設けた上で採取され、検査機関で分析されます。

3. ホルモン検査

精液検査で異常が見つかった場合、次に行われるのが血液によるホルモン検査です。男性不妊の中には、脳から分泌される性腺刺激ホルモン(FSH、LH)やテストステロンの値が正常でないことで、精子の産生がうまく行われていないケースがあります。

4. 超音波検査

精巣の構造や血流、精管の異常を調べるために、陰嚢や精巣の超音波検査が行われることもあります。また、精管の閉塞や異常を疑う場合は、MRIや精管造影検査が用いられます。これらの検査により、無精子症や精管閉塞などの構造的な問題が判明することがあります。

5. 遺伝子検査

重度の乏精子症や無精子症が確認された場合、染色体異常や遺伝的要因の有無を確認するための遺伝子検査が行われます。遺伝性の不妊原因がある場合には、将来的な子どもへの影響についても慎重に考慮する必要があります。

男性不妊検査を受ける際の注意点

男性不妊検査は、身体的な負担はそれほど大きくありませんが、心理的な抵抗感を持つ方も少なくありません。しかし、検査によって得られる情報は非常に多く、治療方針の決定に不可欠です。また、検査結果はあくまで「今」の状態を反映したものです。生活習慣の見直しや治療によって改善する可能性もあるため、過度に悲観する必要はありません。

まとめ:男性不妊の検査とは?検査内容や流れを詳しく解説

いかがでしたか?今回の内容としては、

  • 男性不妊検査は不妊の原因を正確に突き止めるために重要
  • 精液検査が最も基本であり、複数回の実施が推奨される
  • ホルモン検査や超音波検査により、精子産生や通過経路の異常が評価できる
  • 遺伝子検査では染色体異常や遺伝的要因の確認が可能
  • 検査は身体的負担が少なく、早期の受診が妊娠への近道となる

以上の点が重要なポイントでした。男性不妊検査は、未来への第一歩です。パートナーと協力しながら、安心して次のステージへ進んでいきましょう。

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