子宮内膜ポリープの手術後、妊娠のしやすさに影響する?

妊娠を望む女性にとって、子宮内の環境は非常に重要です。その中でも「子宮内膜ポリープ」は、不妊や着床障害の一因となることがあり、近年では不妊治療の一環としてポリープの手術(切除)が行われるケースがあります。

手術後に妊娠しやすくなるという話を耳にすることがありますが、それにはきちんとした背景があります。今回は小田原マタニティクリニックより、子宮内膜ポリープとは何か、手術による妊娠への影響、妊娠に向けた注意点まで詳しく解説します。

目次

子宮内膜ポリープとは?

子宮内膜ポリープとは、子宮の内側を覆う子宮内膜から発生する良性の腫瘍で、いわば子宮内膜の一部が過剰に増殖してできた突起物のようなものです。ポリープは大きさも数もさまざまで、1個だけの場合もあれば複数できることもあります。

一般的には無症状のことも多いのですが、月経量の増加、不正出血、月経周期の乱れなどの症状を引き起こすこともあり、婦人科の超音波検査や子宮鏡検査で発見されます。

妊娠への影響

子宮内膜ポリープが妊娠に与える影響として、もっとも大きいのは着床障害です。受精卵が子宮内膜に着床する際、ポリープが邪魔をして着床しづらくなることがあります。また、ポリープによる慢性的な炎症が、妊娠の成立を難しくすることがあります。

そのため、妊娠を希望している場合や不妊の原因が特定できない場合には、子宮内膜ポリープの有無を確認し、必要であれば除去することが推奨されます。

ポリープ手術の概要

子宮内膜ポリープの除去は、通常「子宮鏡下手術」と呼ばれる手術で行われます。これは、内視鏡を子宮口から挿入し、ポリープを視認しながら丁寧に切除する方法です。入院が不要な日帰り手術であることも多く、身体的な負担は比較的小さいのが特徴です。

手術自体は10〜30分程度で終了し、術後の回復も早いため、多くの患者が数日内には日常生活に戻ることができます。

手術後に妊娠しやすくなる理由

子宮内膜ポリープを除去することで、子宮内の環境が正常に整い、妊娠の可能性が高まると考えられています。ポリープが子宮内膜の着床を妨げる要因となっていた場合、その除去によって着床環境が改善されます。

ポリープがあると、局所的に内膜が厚すぎたりするため、着床率が低下。手術によってこの障壁がなくなれば、自然妊娠あるいは体外受精いずれにおいても妊娠率が向上することが期待されます。

手術後の妊娠に向けた注意点

ポリープの手術後は、1回の生理を待った後から妊活や不妊治療を再開できるとされていますが、手術後の経過や個々の状況によって、妊活再開のタイミングや方法は異なるため、医師の指示を必ず確認し、指示に従うことが大切です。

自然妊娠か、治療か

手術後に自然妊娠できる人もいれば、年齢や他の不妊要因により、引き続き体外受精などの治療を行う必要がある人もいます。とくに35歳以上の女性は卵子の質の低下も伴うため、年齢に応じた治療選択が重要です。ポリープを除去したからといって無条件に妊娠できるとは限らないことを理解し、医師とよく相談しながら進めることが大切です。

まとめ:子宮内膜ポリープの手術後、妊娠のしやすさに影響する?

いかがでしたか?今回の内容としては、

  • 子宮内膜ポリープは妊娠を妨げることがあるため、不妊治療の一環として除去される
  • 手術は子宮鏡下で行われ、身体的負担が比較的少ない
  • 除去後は着床環境が改善され、妊娠率が高まる可能性がある

以上の点が重要なポイントでした。子宮内膜ポリープ手術は、妊娠に向けて前向きな一歩を踏み出すための有効な手段です。個々の体の状態やライフプランに合わせて、最適なタイミングでの妊活を計画していきましょう。

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