「不妊治療を受けている人はどれくらいいるのか」「自分たちは特別なのだろうか」と感じるカップルは少なくありません。不妊に関する割合や頻度を知ることは、孤独感を和らげたり、治療への第一歩を踏み出す勇気につながったりします。
今回は小田原マタニティクリニックより、「不妊は何人に一人の割合で起こるのか」をテーマにお届けしていきますので、ぜひご覧ください。
世界では「6人に1人」が不妊を経験する
世界的にみると、不妊は決して珍しいものではありません。ある国際機関の推計では、成人人口のおよそ6人に1人が、生涯のどこかで不妊の影響を受けるとされています。地域差は比較的少なく、高所得国・中所得国・低所得国のどこでも一定の割合で不妊が発生しています。
これは、不妊が特定の国や文化、ライフスタイルだけで起こる問題ではなく、世界共通の医療課題であることを示しています。
「何人に一人?」は定義次第で大きく変わる
「何人に一人が不妊」という表現は非常にわかりやすい一方で、実は数字が大きく変わる特徴があります。
理由は、不妊の定義や調査方法に複数の基準があるためです。
- 不妊を「心配したことがある人」を指すのか
- 不妊の「検査を受けた人」を対象とするのか
- 実際に「治療を受けた人」の割合を見るのか
- 「生涯で不妊を経験する可能性」を示すのか
これらはそれぞれ意味が異なるため、数字に大きな違いが出ます。そのため、数字を見る際は「何を基準にした割合なのか」を理解することが重要です。
不妊治療に関する日本の現状
日本でも、不妊を心配した経験や治療を受けた経験をもつ夫婦は多くいます。不妊を心配したことがある夫婦は約2.6組に1組、さらに、不妊の検査や治療を受けた経験がある夫婦は約4.4組に1組と報告されています。※こども家庭庁 妊娠・不妊のポータルサイトISSHOを参考
この数字は、妊娠を希望する多くのカップルが一度は不妊を意識したり、実際に医療機関で調べたりしていることを示しています。決して少数派ではなく、不妊に向き合うことは特別なことではないという事実が見えてきます。
個人としてどう向き合うべきか
統計上の数字を知ることは、「決して自分たちは少数派ではない」「早めに動くことが結果につながりやすい」という安心材料になります。不妊が気になる場合、まずは早めに医療機関で相談することが重要です。女性だけでなく男性も検査を受け、夫婦で原因を共有し、治療方針を話し合うことが大切です。
生殖補助医療(ART)による出生の増加
近年、日本では体外受精や顕微授精などの生殖補助医療(ART)を受けるカップルが増えています。技術の進歩や保険適用の拡大により治療を受けやすくなり、その結果、ARTで生まれる子どもの割合も上昇しています。
なぜ不妊は増えているのか?
不妊を経験する人が増えている背景には、医学的要因と社会的要因の両面があります。まず、女性の出産年齢の上昇が大きな要因です。卵巣機能は加齢とともに低下するため、妊娠のハードルは年齢と共に上がります。同時に、男性の加齢も精子の質に影響し、男女どちらの側でも妊娠しにくさが起きることがあります。
さらに、生活習慣による影響もあります。肥満や痩せすぎ、喫煙、過度なストレスなどは、生殖機能に影響を与えることが知られています。また、日本の働き方や子育て環境の課題も、妊娠を望むタイミングを遅らせる要因となり、結果として不妊の割合が高まる要因になります。
まとめ:不妊は何人に一人?不妊治療・検査の経験は何組に一組?
いかがでしたか?今回の内容としては、
- 世界では6人に1人が生涯で不妊を経験するとされ、不妊は世界共通の課題
- 不妊の割合は、定義や調査方法によって大きく変わる
- 日本では、不妊を心配した夫婦は約2.6組に1組、検査・治療経験は約4.4組に1組
- 気になる場合は、男女ともに早めの受診と話し合いが重要
- 生殖補助医療(ART)による出生は増加傾向にある
- 不妊増加の背景には、加齢や生活習慣、社会環境の影響がある
以上の点が重要なポイントでした。不妊に関する数字を知ることは、不安や孤独感を和らげ、自分たちの状況を冷静に見つめるきっかけになります。悩みを抱え込まず、正しい情報をもとに、夫婦で一歩ずつ向き合っていくことが大切です。

