「出産の平均年齢はいくつだろう…」
「いまから出産を考えた場合、一般的に遅いのだろうか…」
このような疑問をお持ちの方はいらっしゃいませんか?時代とともに変わる出産年齢。かつては若いうちに出産することが一般的でしたが、現代では異なる状況が見受けられます。
今回は、小田原マタニティクリニック(オダマタブログ)より、出産の平均年齢と何歳から高齢出産になるのか?という点をテーマにお届けしていきますので、ぜひご覧ください。
出産の平均年齢について
出産の平均年齢は、結論からして上昇傾向にあります。1980年代には出産の平均年齢は25歳前後でしたが、厚生労働省の調査によると2022年の平均出産年齢は30.9歳となっています。
女性の出産年齢が上昇する背景には、社会的な要因が大きく影響していると考えられ、女性のキャリア志向の高まりや経済的な安定を求める傾向、また、結婚年齢自体が遅くなっていることが挙げられます。
30~34歳の未婚率について
厚生労働省のデータによると、1970年の30~34歳の未婚率は男性11.7%、女性は7.2%でしたが、2005年には男性47.1%、女性32.0%まで上昇し、2020年は男性47.4%、女性35.3%と高止まりとなっています。
高齢出産の年齢について
高齢出産は、明確な定義はないものの一般的に35歳以上での出産を指します。日本産科婦人科学会では、35歳以上の初産婦は「高齢初産婦」と分類され、35歳以上の高齢出産になったケースは年々増え続けています。
高齢出産のリスクについて
続いて、高齢出産にリスクについて見ていきましょう。
流産のリスク
35歳を過ぎると卵子の質が低下し、妊娠成立までの期間が長くなる傾向があります。また、流産のリスクも増加します。これは、卵子の質の低下に伴って染色体異常の発生率が年齢とともに高くなるためです。
合併症・帝王切開のリスク
妊娠中の合併症として妊娠高血圧腎症や妊娠糖尿病などのリスクや、産道や子宮口が高齢の場合硬くなっているため、帝王切開になるリスクも増加します。
医療技術の進歩による高齢出産のリスク軽減について
現代の医療技術は進歩しているため高齢出産のリスクを軽減することが可能であり、定期的な妊婦健診や適切な医療管理が行われれば、無事に出産を迎えることができます。
体外受精などの不妊治療も進歩しており、高齢出産を希望する女性にとって有力な選択肢となっています。ただし、依然として高齢出産はリスクを伴うため、多くの人がそのリスクを理解すべきであるでしょう。
高齢出産のメリット
高齢出産というとリスク面のみに向きがちですが、メリットもいくつか考えられます。
30代後半から40代にかけて出産する女性、そして、そのパートナーは、仕事でのキャリアも積んでおり、若い頃と比較すれば経済的にも余裕があることが多いため、育児に必要な資金を確保することができます。
また、成熟した親としての役割を果たせることも、高齢出産のメリットの一つです。人生経験を積んだ親は、子育てにおいて冷静かつ柔軟に対応できる場合が多く、子供に対する理解も深いと考えられます。
高齢出産を考える女性の方へ
高齢出産を考える場合、健康管理に努めることが重要です。適切な食事や運動を心掛け、妊娠前から体調を整えましょう。当院では、マタニティヨガを定期的に行っており、とても好評です。また、定期的な健康診断を受け、自身の健康状態を把握しておくことも必要です。
さらに、妊娠計画を立てる際には、パートナーとのコミュニケーションが欠かせません。出産や育児に対する双方の意識を共有し、協力して取り組む姿勢が求められます。
まとめ:出産の平均年齢は?何歳から高齢出産になる?
いかがでしたか?今回の内容としては、
- 出産の平均年齢は上昇傾向にあり、2022年の平均出産年齢は30.9歳である
- 出産の平均年齢だけでなく、未婚率も上がっている
- 高齢出産は、明確な定義はないものの一般的に35歳以上での出産を指す
- 高齢出産は流産や合併症などのリスクが高まる
以上の点が重要なポイントでした。出産の平均年齢は、社会の変化とともに上昇しており、現在では30歳を超えることも一般的になっています。35歳以上の高齢出産はリスクが伴いますが、経済的な安定や成熟した親としての役割など、高齢出産にはメリットもあります。
高齢出産を考える女性は、健康管理やパートナーとのコミュニケーションを大切にし、情報を収集しながら妊娠初期から計画的に進めていただければと思います。