無痛分娩の割合は?どのようなメリットがある?

無痛分娩は、麻酔を用いて分娩時の痛みを和らげることを目的とした出産方法であり、まだまだ割合としては少ないですが、こちらを選択する方は増加傾向にあります。では、無痛分娩にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?そして自然分娩ではなく無痛分娩を選択する割合は、どの程度なのでしょうか?

今回は、小田原マタニティクリニック(オダマタブログ)より、無痛分娩のメリット・デメリットと割合をテーマにお届けしていきますので、ぜひご覧ください。

目次

そもそも無痛分娩とは?

無痛分娩は、冒頭でもお伝えした通り麻酔を用いて、分娩時の痛みを最小限に抑えることを目的としたものであり、多くの方が選択する自然分娩は、麻酔を伴わず陣痛や腹圧といった母体の持つ力で胎児を自然に分娩するものです。

無痛分娩の現状と割合

厚生労働省の2020年9月調査によると、日本における無痛分娩の実施割合は8.6%であり、少しずつではありますが増加しています。しかし、8.6%という数値からもわかる通り、まだまだ無痛分娩の割合は非常に低いと言えます。

これに対して、欧米諸国では無痛分娩の普及率は高く、アメリカ・フランス・イギリスでは60~80%程度に達しています。この差は、日本における無痛分娩の理解や歴史が浅いこと、医療機関の設備や人員の問題が関係していると考えられます。

参考URL:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/20/dl/02sisetu02.pdf

無痛分娩のメリット

続いて、無痛分娩のメリットについて見ていきましょう。

分娩時の痛みを大幅に軽減できる

無痛分娩のメリットは第一に、分娩時の痛みを大幅に軽減できることが挙げられます。無痛分娩という名称ですが、実際には安全に出産するための措置として麻酔を複数回に分けて少しずつ入れるため、完全に痛みが消えるというものではありません。

とはいえ、分娩時の痛みが大幅に軽減されることで不安が取り除かれ、妊婦はリラックスして分娩に臨むことができるため、出産の体験をよりポジティブなものにすることができます。

分娩後の体力の回復を早める

無痛分娩は痛みが少ないため、分娩後の疲労感が軽減され、産後の回復が早まることが期待されます。出産時に体力を消耗しすぎてしまい、数日間体を動かすことができないというケースも少なくありませんので、体力の回復面から見えても無痛分娩はメリットがあると言えます。

効率的なサポートが可能

無痛分娩は医療スタッフにとってもメリットがあり、妊婦がリラックスして分娩に臨めることで医療スタッフはより効率的にサポートを提供できます。

無痛分娩のデメリット

続いて、無痛分娩のデメリットについて見ていきましょう。

分娩時間が長引く

麻酔が効いて陣痛が弱くなると分娩時間が長引くことがあり、進行の遅れによっては陣痛促進剤や吸引分娩が必要になることがあります。そして、分娩の遅れによって、赤ちゃんへの負担が生じる場合もあります。

無痛分娩は費用負担が大きくなる

自然分娩よりも無痛分娩は費用負担が大きくなり、自然分娩よりも10万円~20万円程度高くなります。そのため、無痛分娩を選択するうえでは経済的な面も考慮する必要があります。

無痛分娩に対応していない医療機関もある

無痛分娩を安全に行うためには、専門の麻酔科医や適切な設備が必要となります。そのため、無痛分娩を導入していない施設は多くあり、厚生労働省の調査によると無痛分娩を行う施設は全体の3割程度となっています。

無痛分娩を選択する上で十分な相談が必要

無痛分娩のメリットやデメリット、リスクについて理解し、自分に合った選択をするためには、医師や助産師、看護師との十分な相談が必要です。そして、妊婦が自分の希望や不安を率直に話し、納得のいく形で分娩に臨むことができるように、医療機関側は積極的に情報提供を行うことが求められます。当院では月に1度、当院出産希望のママたちを対象にwebセミナーを実施しています。

まとめ:無痛分娩の割合は?どのようなメリットがある?

いかがでしたか?今回の内容としては、

  • 無痛分娩は、麻酔を用いて分娩時の痛みを和らげることを目的とした出産方法である
  • 日本における無痛分娩の実施割合は8.6%である
  • ・痛分娩は分娩時の痛みを軽減し、リラックスして出産に臨むことができるというメリットがある
  • 無痛分娩は分娩時間が長引いたり、費用負担が大きくなるというデメリットがある

以上の点が重要なポイントでした。無痛分娩は、妊婦にとってメリットをもたらす選択肢の一つである一方、リスクやデメリットも存在するため、事前に十分な情報を得て自分に合った選択をすることが重要です。

医師との相談を通じて、自分にとって最適な出産方法を選び、安心して出産を迎えることができるようにしましょう。最高の分娩になるように応援しますよ。

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