無痛分娩の所要時間は?痛みを抑えて分娩時間は短くなるのか

無痛分娩は、出産時の痛みを和らげるために麻酔を用いる分娩方法で、陣痛の痛みを抑えながら、意識を保ったまま赤ちゃんを出産することができます。

日本では近年、「無痛分娩」という言葉への関心が高まっており、痛みへの恐怖からこの方法を希望する妊婦も増加傾向にあります。しかし、「無痛分娩の時間は長くなるのか?短くなるのか?」という疑問や不安を抱える方も少なくありません。

今回は小田原マタニティクリニックより、無痛分娩にかかる時間や一般的な出産との違い、そして時間に影響を与える要因について詳しく解説します。

目次

無痛分娩の時間は長くなるのか?短くなるのか?

まずは、無痛分娩の時間は長くなるのか?短くなるのか?について見ていきましょう。

一般的に無痛分娩はやや時間が長くなる傾向がある

無痛分娩では、痛みを緩和する代わりに陣痛の自然な進行に若干の影響が出ることがあります。麻酔により骨盤周辺の筋肉が弛緩し、陣痛の強さや子宮口の開き具合に影響を及ぼすことがあり、その結果、分娩所要時間がやや長くなる傾向があります。

特に初産の場合、無痛分娩では自然分娩と比べて3時間程度長くなることもあります。ただし、この差は個人差が大きく、一概にすべての人に当てはまるものではありません。

誘発分娩との併用がある場合、時間の調整がしやすい

無痛分娩は計画的に行われるケースも多く、陣痛誘発剤を使って分娩を管理することもあります。この場合、医師の管理のもとで出産のスケジュールをある程度調整できるため、急な夜間の出産などを避けられるメリットもあります。

無痛分娩の時間に影響を与える要因

続いて、無痛分娩の時間に影響を与える要因について見ていきましょう。

個人差(初産か経産婦か)

無痛分娩に限らず、出産時間は初産か経産婦かによって大きく異なります。経産婦はすでに出産経験があるため、子宮口の開きや産道の柔軟性において有利であり、分娩がスムーズに進みやすい傾向があります。したがって、無痛分娩であっても、経産婦の方が所要時間は短いことが多いです。

麻酔のタイミングと濃度

無痛分娩において麻酔を始めるタイミングや使用する薬剤の濃度は、分娩の進行に影響を与えます。早い段階で麻酔を開始すると、陣痛の自然な流れが阻害される可能性があり、結果として分娩時間が延びることがあります。一方で、適切なタイミングでの麻酔投与は痛みを軽減しつつ、順調な分娩をサポートすることができます。

無痛分娩の麻酔は、子宮口が3~5cm開いた時、陣痛が5分間隔になった時、痛みを和らげて欲しいとリクエストされた時などで投与します。当院では Bishopスコアを用いて判断します。

赤ちゃんの向きや大きさ

赤ちゃんが骨盤に対して理想的な姿勢であるかどうか、また体重が大きすぎないかといった点も、分娩時間に関わります。無痛分娩ではいわゆる「いきみ」を感じにくくなるため、赤ちゃんを押し出す力が弱まり、娩出に時間がかかることもあります。

無痛分娩の時間について知っておきたいこと

続いて、無痛分娩の時間について知っておきたいことについて見ていきましょう。

麻酔の効果発現までにかかる時間

無痛分娩で使用する硬膜外麻酔は、注入から10〜20分ほどで効果が現れ始めます。

分娩所要時間は「痛みの有無」とは別問題

無痛分娩と自然分娩の最大の違いは「痛みの感じ方」であり、分娩のプロセスそのものが大きく変わるわけではありません。麻酔を使っても陣痛や子宮収縮、子宮口の開きなどは進みます。

まとめ:無痛分娩の所要時間は?痛みを抑えて分娩時間は短くなるのか

いかがでしたか?今回の内容としては、

  • 無痛分娩は痛みを緩和するが、分娩時間がやや長くなる傾向がある
  • 初産か経産婦か、麻酔のタイミング、赤ちゃんの状態などが時間に影響
  • 麻酔の効果が出るまでに10〜20分程度かかる
  • 分娩時間は個人差があり、無痛分娩でも短時間で終わるケースもある

以上の点が重要なポイントでした。無痛分娩は、「痛みが怖い」という妊婦にとって大きな選択肢の一つです。分娩時間の不安も含め、しっかり情報収集して納得のいくお産を迎えてくださいね。

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