


PPOS周期とは、黄体ホルモン製剤で採卵前の排卵を防ぎつつ複数の卵胞を育てていきます。当クリニックでの排卵誘発法の中では、一度にもっとも多くの卵を育てる方法(中刺激周期)です。
女性のからだへの過度な負担がないものの、その分、厳密な卵胞管理を必要とする自然周期での体外受精に比べ、PPOS周期には卵胞管理が比較的容易だという利点があります。また、女性の年齢が若く、AMH値が高いご夫婦の場合、一度の採卵で複数の良好卵を得やすい傾向にあります。働く女性が増え、仕事と不妊治療の両立が課題になっている今、最終的に妊娠に至るまでの総通院回数を減らせる可能性があるPPOS周期は、適用条件としてリミットが設定されている保険適用でのARTにおいては、たいへん有効な選択肢の一つだと考えています。
PPOS周期は、卵胞(卵子の入った袋)を育てながら(月経開始3日目からクロミフェン製剤を内服+5日目からリコンビナントFSH製剤を隔日150IU注射)、同時に月経開始5日目から黄体ホルモン剤を服用、卵胞径が約18mmになったところで点鼻薬(スプレー)を用い、自然な排卵を誘起し採卵の準備を行います。黄体ホルモン製剤を併用することで、せっかく育てた多くの卵が採卵前に排卵してしまうという事態を抑止できるというメリットもあります。
また、排卵誘発剤を多く用いる中刺激~高刺激周期は、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)の発症リスクを上げてしまうことが最大の欠点であるとされてきましたが、PPOS周期であればOHSSのリスクを低下させ、重症化を回避することができます。
OHSS重症化回避のポイントは、二つあります。
新鮮胚移植を避けるのは、子宮内膜に着床した胚から分泌されるhCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)が、OHSSを重症化させてしまう事態を避ける目的もありますが、そもそもPPOS周期は、低温期の間に卵胞を育てながら黄体ホルモン剤を服用しているため、子宮内膜が着床に適さない状態になってしまっており、新鮮胚移植はできません。
月経2、3日目に基本情報のチェックを行い、月経3日目から連日クロミフェン製剤(50mg:1錠)またはアロマターゼ阻害剤(2.5㎎:1錠)の服用を開始します。
月経5日目頃から隔日で、リコンビナントFSH製剤(150IU)を追加、同時に連日の黄体ホルモン製剤の服用を開始します。
2回目の診察は、血中のE2(卵胞ホルモン)値、LH(黄体化ホルモン)値の測定を行います。
2、3回の診察の後、ホルモン値と主席卵胞の大きさが最適になったら、採卵日を決定します。卵胞径が約18mmになったところで、GnRHアゴニスト製剤の点鼻薬(スプレー)を用いることでご自身の脳からLH(黄体化ホルモン)を大放出させ、2日後の午前中に採卵します(予定採卵)。しかしLHが予想より早く上昇してしまった人は自然の成り行きに従って、当日または翌日の排卵直前に採卵します(緊急採卵)。
小田原マタニティクリニック
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