完全自然周期による高度不妊治療(体外受精)

完全自然周期とは、薬による排卵誘発を行わない、より自然に近い方法で妊娠を目指す治療法です。

完全自然周期(ドラッグフリー)体外受精は、AMHが低値で排卵誘発剤を使用しても、複数の卵子の成長が期待できない場合などに適用になります。月経2、3日目の経腟超音波検査やホルモン検査にて決定されます。薬(内服・注射)による排卵誘発を一切行わず、自然な月経周期の中で育ってくる卵胞から採卵をし、それを受精させ、移植する方法です。排卵誘発を行わないため、通常採卵できる卵子の数は1つです。

個々の状態を把握し自然な月経周期を崩さず、卵巣やからだに負担を与えないようにする治療方法です。

このような方に適した治療法です

AMH値が極めて低い

月経2、3日目の卵胞が1個のみ

月経周期が一定

通院スケジュール

月経2、3日目

月経2、3日目は診察の基本です。卵胞(卵子を入れている袋/月経3日目で径約5mm)数、FSH(卵胞刺激ホルモン)、AMH(抗ミューラー管ホルモン/卵胞数のホルモン的指標、当クリニックではpM単位)、の計測、前周期の遺残卵胞がないかなど、その周期の基本情報を確認します。
ドラッグフリー周期では薬剤はまったく使わず、卵胞の成長を見守ります。

月経10、11日目頃

2回目診察は、月経10、11日目頃です。これは治療周期2、3日目に決定されます。卵胞の発育を確認し、状況に応じて、ホルモン検査を行います。早い人はこの時点で採卵日が確定しますが、通常はこの時の所見を基に3回目の診察日(月経12~14日目頃)を決めます。

採卵日の決定(予定採卵)と準備

数回の診察の後、女性ホルモン値と主席卵胞の大きさが最適になったら、採卵日を決定します。通常は女性ホルモンが250程度に達すると採卵の準備に入ります。排卵を促す脳ホルモン(LH:黄体化ホルモン)が上昇していない場合は、ブセレキュア(GnRHアゴニスト)という点鼻薬を用いて人工的に上昇させ、2日後の午前中に採卵します(予定採卵)。しかしLHが予想より早く上昇してしまった人は自然の成り行きに従って、当日または翌日の排卵直前に採卵します(緊急採卵)。

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