会陰切開

会陰切開とは出産のときに必要に応じて会陰部(腟口から肛門の間にある部分)を2~3cmほど切開する処置です。
会陰が伸びにくかったり赤ちゃんが大きい場合、会陰裂傷を起こす可能性があるため会陰切開をして防ぎます。

どんな場合に会陰切開を行うのか

  • 初産で会陰の伸びが十分でない場合
  • 赤ちゃんが大きい場合
  • 吸引分娩が必要な場合

会陰切開の種類

正中側切開

会陰中心部から肛門括約筋を避けながら斜めに切開する方法です。
当院はこちらのやり方で切開を行います。

メリット:肛門括約筋などの損傷が少ない
デメリット:出血量が多い、術後の痛みが強い

正中切開

会陰中心部から肛門に向かって、垂直に切開する方法です。

メリット:出血が少ない、術後の回復が早い
デメリット:肛門括約筋・肛門挙筋を損傷する可能性がある

会陰切開の処置方法

・局所麻酔の使用
当院では局所麻酔を使用し会陰切開を行います。
・切開のタイミング
発露(赤ちゃんの頭が完全に出てくる状態)の際に処置を行います。
・縫合方法
当院では吸収糸を使用します。体に吸収されてなくなるので、抜糸をする必要はありません。

会陰切開後のケア

縫合部分の痛みや腫れ
痛みや腫れている箇所に冷却パットを当てて冷やしましょう。
冷やすことで痛みを和らげることができます。

傷のケア方法
会陰切開の傷跡を早く治すには清潔に保つことが大切です。
①産褥パッドや生理用ナプキンはこまめに交換しましょう。
②通気性の良い下着を選びましょう。
③トイレ後はウォシュレットや清浄綿、シャワーで洗い流しましょう。
また、座るときに痛みを伴う場合は、円座クッションを使用するのがおすすめです。

回復期間
痛みや違和感は1週間ほどで和らぎますが、傷が目立たなくなるまでは約1ヶ月かかります。

産後の性生活への影響
産後1ヶ月健診で問題なければ再開しても問題ありません。
しかし、産後は痛みや恐怖を感じる方も多いため、様子を見ながらゆっくり始めることが大切です。

会陰切開を避けるためにできること

妊娠中の会陰マッサージ

妊娠34週目頃から会陰マッサージを行うことで会陰部の伸展をよくします。
100%オーガニックのカレンデュラオイルを使用するとより効果的です。
カレンデュラには皮膚を柔らかくし、ダメージを受けた皮膚や粘膜を修復する効果が期待できます。

分娩時のいきみ方

早いタイミングでいきんでしまうと会陰が十分に伸びておらず、会陰の組織が裂けてしまうことがあります。助産師から合図がでるまでは無理にいきまないようにしましょう。そして合図がでたら、陣痛の波に合わせていきみをくわえることを意識しましょう。

姿勢の工夫

股関節が固いと産道が狭くなるので、赤ちゃんを娩出するのに過剰な力が会陰部にかかってしまいます。日頃から座禅を組むように座ると股関節が広がり、効果的です。

会陰切開に関するQ&A

会陰切開は痛いですか?

無痛分娩の方は麻酔が効いているため、痛みはありません。
また、普通分娩の方に関しても局所麻酔をするので痛みを感じることはほとんどありません。

切開しないと裂けるって本当ですか?

裂ける方もいれば、裂けない方もいます。 
切開しなかったとしても会陰の伸び具合や赤ちゃんの大きさによって多少裂傷する可能性はあります。

産後どのくらいで普通の生活に戻れますか?

1ヶ月もすれば普通の生活に戻ることができます。
もし、痛みが長引いている場合は、一度当院にお問い合わせください。

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