婦人科疾患及び
不妊治療勉強会

不妊治療

患者様おひとりおひとりのからだに合わせた、自然の生理周期を活かした方法で自然に近い形での妊娠を目指します。無痛採卵対応も可能です。

主な不妊の原因

子宮が原因

  • 子宮内膜ポリープ

  • 子宮筋腫(画像:粘膜下筋腫)

  • 子宮腺筋症

卵管が原因

クラミジア・子宮内膜症などで卵管が詰まっている。

  • 卵管が詰まっている
  • 卵管開通の治療
    (卵管内貯留液吸引法、卵管開口術、卵管峡部クリッピング、卵管形成術(FT)、卵管切除)
  • 卵管の通過性が回復

卵管閉塞の方の妊娠率

FT術後 自然妊娠: 22%
体外受精による妊娠:44.4%
卵管摘出術後 体外受精による妊娠:55.3%
手術を受けなかった場合 体外受精による妊娠:14.3%

卵管治療後の胚移植妊娠率

卵管治療後の胚移植妊娠率のグラフ

卵管切除術後妊娠率

卵管切除術後妊娠率のグラフ

卵巣が原因

AMH(卵子の数)測定値の年齢別分布

AMH(卵子の数)測定値の年齢別分布

多嚢胞性卵巣症候群

卵巣のホルモン異常によって、排卵障害や生理不順がおこる病気で、不妊の原因のひとつです。

多嚢胞性卵巣症候群の治療法

ご自身の状態や治療した際の身体の反応によって治療法が異なります。

妊娠の希望がありますか?

クロミフェンによる排卵誘発

下記のいずれかまたは併用

  • カウフマン療法
  • OC (低用量ピル)
  • 漢方薬
  • メトフォルミン
漢方について

タイミング療法

一般不妊治療コース

FSH 製剤による排卵誘発

タイミング療法

一般不妊治療コース

採卵or腹腔鏡下卵巣多孔術

腹腔鏡下卵巣多孔術について

治療の流れ

診療に関する説明について

新型コロナウイルスの感染対策により、治療についての説明などをお聞きいただくのは、ご本人様のみとさせていただきます。
ご家族にも説明を聞いていただきたい場合は、オンラインでご家族に説明することが可能です。
オンライン説明の費用は5,000円が加算されます。ご希望の方はお申し出ください。

問診・検査

ホルモン検査・超音波検査・精液検査・ヒューナーテスト・HSG

FT(卵管鏡下卵管形成術)

当院では、卵管を開通させるFT手術を1泊2日(場合によっては日帰りも可能)の入院で行い、術後は外来に通院しながらタイミング法による自然妊娠を目指すことが可能です。

『卵管』の働きって?
卵巣の表面の卵胞から排卵した卵子は、卵管采(らんかんさい)でピックアップされ、卵管膨大部で精子と出会い受精します。そして受精卵となり卵管内を発育(分割)しながら進んでいきます。つまり、“受精の場”としての働きと、“発育の場”としての働きがあります。受精卵は、受精卵→2細胞→4細胞→8細胞→受精後4日目:桑実胚(そうじつはい)→受精後5日目:胚盤胞(はいばんほう)と発育していき、受精後5日目:胚盤胞の状態で子宮内膜に着床します。卵管に問題があると、この発育がうまくいかず、子宮内膜に着床する=妊娠することができません。
卵管の問題を解決する『FT手術』ってなに?
FT手術は日本語で『卵管鏡下卵管形成術』といいます。卵管鏡という細いカメラと圧力で膨らんだり萎んだりするバルーンを操作して膣側から行います。クラミジアなどの感染症で卵管が狭くなったり、完全に閉塞したりといった卵管の問題を手術で治療する方法です。自然妊娠では妊娠が期待できず体外受精(高度不妊治療)に進むしかなかった症例も『FT』による治療を受けることで、妊娠が期待できるようになりました。
当院では、このFT手術を1泊2日(場合によっては日帰りも可能)の入院で行い、術後は外来に通院しながらタイミング法による自然妊娠を目指すことが可能です。 手術の方法は、狭くなってしまっている方の卵管の入り口まで卵管鏡とバルーンを進めて固定し、バルーンをふくらませたり縮めたりしながら卵管の中を進めていきます。バルーンの大きさは1.25mmでふくらませるときに6気圧、縮めるときは2気圧にして卵管内を広げて進めていき、卵管の閉塞部の再開通を試みます。
FT(卵管鏡下卵管形成術)

タイミング周期

卵管に問題がある不妊の場合はFT施行後3周期のタイミング療法を行います。

一般不妊治療コース

体外受精・顕微授精

3周期のタイミング療法で妊娠に至らなければ、自然周期体外受精を開始します。

高度生殖医療コース

当院の高度生殖医療について

採卵

体外受精は、卵胞期の管理から始めます。 良好な卵子を得るためには、卵子が卵巣の中で成熟していく過程が大切です。(卵胞期管理)

排卵誘発剤を使用しない方法

完全自然周期
月経3日目から排卵前までの薬を一切使用せず、排卵直前に卵胞が十分に成長したらGnRHa 点鼻薬(下垂体ホルモン放出ホルモン作動薬、商品名:スプレキュア)により、卵子の最終的な成熟を促します。

排卵誘発剤を使用する方法

クロミフェン周期、フェマーラ周期、クロミフェン・フェマーラ周期
月経3日目から排卵誘発剤を使用して自然排卵を抑制するとともに、必要に応じて途中から少量のFSH製剤を併用。からだが選択してくれた卵子を必要数だけ育てるようにします。使用する薬剤の種類を考慮した上で量を極力少なくし、患者様自身の力を最大限に利用した、からだにやさしく、自然の摂理にかなった体外受精の方法です。

採卵・採精

排卵直前まで発育した卵胞内の卵子を採卵針で取り出します。通常、数分で終了します。 精子はご家庭で採取して提出していただきます。

受精

卵子に多数の精子を振りかけて受精させる「体外受精」か、1個の精子を直接卵子に注入する「顕微授精」を行います。精子の量が少ない場合は顕微授精となりますが、それ以外にも精子の奇形率、運動率、直進率、過去の治療歴、卵子の状態などの状況や患者様の希望を踏まえて決定します。

顕微授精法(ICSI)

採卵した卵子に顕微鏡下で1個の精子を針で直接注入し、授精させます。選ばれた精子はインジェクションピペットによって尾部を抑えて不動化し、卵子の細胞質内に直接注入します。

胚培養

受精した卵は体外で培養し、分割期胚または胚盤胞まで発育させます。

胚盤胞培養(Blastocyst Culture)

受精した後、受精卵が着床前の胚盤胞の状態になるまで、体外で5~6日間培養します。胚盤胞まで発育しないこともありますが、胚盤胞移植まで至れば着床率は初期胚移植の2倍以上です。特に卵管性の異常のある方や初期胚移植で妊娠に至らなかった方には極めて有効です。

凍結保存

ガラス化凍結法(クライオトップ法) 受精卵を凍結させる従来の保存方法から、飛躍的に受精卵の生存率を上昇させたのが「ガラス化凍結法(クライオトップ法)」です。このクライオトップ法により、安全で保存期間にかかわらず胚へのダメージがなく、ほぼ全症例、生存させることが可能となりました。こうした凍結技術の発達により、余った胚を次の周期以降に活用することはもちろん、採卵周期の胚盤胞を一旦凍結保存し、次周期以降に移植することで、妊娠率が飛躍的に向上しました。
2エストロゲンやプロゲステロンといったホルモン剤を投与しながら着床環境を整えて、胚移植する方法。排卵が起こりにくい方や自然排卵後の胚移植でなかなか着床できない方が行う方法です。

凍結融解胚移植

体外で育てた胚をカテーテルで子宮に戻すことを「胚移植」といいます。胚移植に必要な時間は5~10分ほどです。カテーテルという細く柔らかい管を用いて超音波画像を見ながら胚移植を行います。

当院では主に、胚をいったん凍結して保存、別の月経周期にその胚を融解して子宮に戻す「凍結胚移植」を行います。この方法は、着床環境を整えてから胚移植を行うため、着床率が高くなります。
凍結胚移植には大きく分けると「自然周期胚移植」と「ホルモン補充周期(HR周期)胚移植」という2つの方法があります。

自然周期胚移植

自然周期での卵胞発育を観察して、排卵後に胚移植する方法。月経が毎月順調な方が行う方法です。

ホルモン補充周期(HR周期)胚移植

黄体ホルモンや卵胞ホルモンを補う薬の内服によって、子宮内膜の環境を整え、あわせて正確にホルモン値をコントロールすることで、子宮内膜が着床に最適な状態になった時点で胚移植を行います。

PRPの注入回数による違い

PRP導入前は、妊娠反応陽性とならなかった症例(反服不成功症例)に対し、胚移植前にPRPを1回注入した場合と胚移植直前に2回注入した場合と比較した場合、妊娠反応陽性となる症例が多数見られました。

上記より、当院では胚移植前に2回以上のPRP注入をお勧めしています。

PRPの注入回数について

PRP注入の回数は、子宮(子宮内膜)の状態により医師が判断して決定いたします。基本的に2回1セットで実施します。

A:胚移植の直前に2回(1セット)行う方法
【適応】子宮内膜が薄い(7.0㎜未満)の方
B:胚移植周期直前でのERA検査や採卵前に2回(1セット)実施し、胚移植の直前に2回(1セット)行う方法
【適応】子宮への外科的侵襲(手術など)を受けた経験のある方、子宮内膜炎が重症と診断された方

PFC-FDの卵巣注入による卵巣活性化療法について

当院ではPFC-FD(ご自身の血液に含まれている成長因子をフリーズドライしたもの)を卵巣に直接注入する卵巣機能の活性化療法をはじめます。

対象
  • AMHの値が年齢別基準値の1/3以下の方
  • 卵巣機能が悪くて採卵数が少ない方
  • 採卵しても良い胚が得られない方
方法
あらかじめご自身の血液から作製しておいたPFC-FDを卵胞が発育した時期に体外受精の採卵技術を応用し卵巣に直接注入します。
治療費
220,000円(税込み)

2020年末より導入し成果を上げていますPRP(多血小板血漿)に含まれている様々な成長因子(細胞を刺激し活性化させる因子)をフリーズドライ化したものがPFC-FDです。フリーズドライ化することで成長因子が濃縮されるため、有効性がより高くなると示唆されています。

その、PFC-FDを卵胞が発育している時期に、体外受精の採卵技術を応用して卵巣の表面に直接注入することで、卵巣機能が悪くて採卵数が少ない、採卵しても良い胚が得られないといった症例に対し改善を期待する方法です。PFD-FDは卵胞発育を促進する成長因子を複数含んでいるため、卵巣機能が改善し発育卵胞数が増え、そして体外受精での採卵数が増加し妊娠率を高めることが期待されています。また、卵胞周囲に新たな血管を新生することで卵子の質が向上する可能性があります。

PRP卵巣注入は海外ではかなりの施設ですでに施行されていて早発卵巣不全(POI)、卵巣機能低下(DOR)の症例で効果があり妊娠例も報告されています。

子宮内膜着床能(ERA)検査

子宮内膜には着床に適した期間(着床ウインドウ)があります。この期間には個人によって異なり、ERA検査をすることによって個々の着床の窓を特定することが可能となります。
良好胚を移植したにも関わらず、着床に至らなかった場合や、胚移植のタイミングを把握するために有効な検査となります。

アシステッドハッチング

受精卵が子宮に着床するためには、透明帯という「殻」から孵化(ハッチング)する必要があります。しかし、受精卵の中には透明帯が厚いものや、凍結によって硬化した凍結解凍胚、40歳以上の方の胚は透明帯が通常よりも固くなっている可能性があります。そこで、透明帯を一部切開することで子宮内に移植した受精卵が着床しやすいように孵化の補助することをアシステッドハッチングといいます。
当院では、短時間で正確に透明帯を切開可能なレーザーアシステッドハッチングを使用しています。

妊娠判定

胚盤胞移植であれば1週間後、分割胚移植であれば12日後に来院し、まずホルモン検査による妊娠判定を行います。着床していれば、βhCGの値が陽性となります。
その後、妊娠5週前後に超音波検査(エコー)で胎嚢の確認を行い、妊娠7週で胎児の心拍を確認し、9週目に超音波検査で元気な赤ちゃんの姿が確認できれば、当院での治療は卒業となります。

医師紹介

医師西原富次郎

医療法人社団謙翠会
理事長 婦人科

  • 東京女子医科大学病院 麻酔科で経歴をスタート
  • JA 静岡厚生連 静岡厚生病院 産婦人科
    その後、静岡厚生病院で、中山毅先生に師事し産科・婦人科手術・不妊治療の経験を積む
  • 2019年1月:小田原レディスクリニック 院長就任
  • 2021年3月:医療法人社団謙翠会 理事長就任
  • 日本産婦人科学会専門医
  • 麻酔科認定医
  • 母体保護法指定医師
  • 日本医師会認定産業医
  • NCPRインストラクター

【担当診療科目】

  • 不妊治療
  • 婦人科
  • 産科・小児科

医師土橋正人

北里大学医学部出身

  • 泌尿器科専門医
  • 泌尿器科指導医
  • がん治療認定医

【担当診療科目】

  • 不妊治療
  • 婦人科

医師三浦直美

日本医科大学出身

  • 産婦人科専門医

【担当診療科目】

  • 不妊治療
  • 婦人科
  • 産科・小児科

担当医表

 
婦人科・不妊治療 西原 西原 西原/
三浦
西原 西原

午前9:00〜12:00  午後15:00〜18:00

※田中彩先生は秋まで休職中です。