高濃度ビタミンC点滴療法(自費診療)
妊活中の卵質改善効果
卵子老下の原因としても知られている酸化ダメージは、ストレスや加齢、紫外線、喫煙などによって体内で発生する活性酸素により引き起こされ、遺伝子を傷つけます。この影響は、卵巣に蓄えられている卵子のもととなる遺伝子にも及びます。遺伝子の傷が増えれば、その遺伝子が複製される時のエラーを引き起こしたり、また受精卵に成長できずに終わってしまう確率も高まります。
高濃度ビタミンC点滴療法は、この問題にアプローチする方法のひとつです。よい受精卵を獲得できずにいる不妊治療中の患者様にぜひお試しいただきたいです。当院では週一回程度の実施を推奨しており、採血の際の一度の針刺しで実施できますので体への負担も軽減できおすすめです。最適な頻度については、医師とご相談ください。
なぜ高濃度?
ビタミンCの血中濃度をサプリメントや内服薬など経口摂取時の20〜40倍以上に増加させ、静脈内に点滴することで、高濃度のビタミンCが血管内の隅々に行き渡ります。その結果、高い抗酸化効果が期待できます。大きなリスクやダウンタイムはなく、とても安全な治療法です。
当院で取り扱っている製品について
国内のビタミンC製剤には、品質維持のために防腐剤が添加されていますが、当院では防腐剤不使用の高い品質基準をクリアしたアイルランド製Mylan(マイラン)社の高濃度ビタミンC製剤を、スイスから輸入しています。この製品は、アメリカやカナダで実施されている高濃度ビタミンC点滴療法の臨床実験で唯一採用された製剤ですので安心してご利用いただけます。
最新海外医学情報
ビタミンCが体外受精の成功率を上げる 生殖医療において、受精後のDNA脱メチル化は正常な胚発生に不可欠ですが、体外受精(IVF)ではこのプロセスに異常が 起こりやすく、合併症に繋がることが分かっています。DNA脱メチル化には、TET酵素の活性が不可欠であり、TETが欠損すると胚の生存と成長が損なわれます。 そこで、TET酵素の活性を高める補助因子であるビタミンCを マウスおよび牛のIVF胚の培養液に1OOμg/ml添加したところ、対照胚と比較してTET酵素活性が改善し、胚盤胞到達率•胚盤胞の総細胞数•内部細胞塊(ICM)細胞数が有意に増加し、着床率および着床直後の生存率が有意に高くなりました。人体では子宮や卵管に多くのビタミンCが存在することから、IVFにおけるTET酵素活性低下およびDNA脱メチル化の阻害は、母体に存在するはずのCの欠乏が主な原因であると考えられます。 今後は人間の生殖医療への応用が期待されますが、同時に、妊娠を希望する女性におけるビタミンCの重要性も示唆しています。 M Chu, F Yao, G Xi, et al.Vitamin C Rescues in vitro Embryonic Development by Correcting Impaired Active DNA Demethylation, Front.Cell Dev.Biol.,2021
費用(税込)
健康保険などの公的医療保険は使用できませんので、自費診療となります。
高濃度ビタミンC点滴25g 13,200円
不妊治療の一環として、高濃度ビタミンC点滴療法をぜひご検討ください。
みなさまの治療をより効果的なものにするためにおすすめしております。