


卵管鏡下卵管形成術(FT)は、卵管が狭くなっていたり、詰まったりしている場合の卵管の通過障害を改善することを目的としています。この手術を行うことによって卵子と精子がスムーズに通過できるようになります。手術を受けた方の約30%が3ヶ月以内に妊娠しており、治療の効果が非常に期待できます。
子宮卵管造影検査で、卵管が狭いまたは閉塞している(通過していない)と診断された方の中で、体外受精ではなくタイミング療法や人工授精などの自然妊娠を希望している方に有効な治療です。
卵管の中を観察しながらバルーンというプラスチックでできたチューブを通すことで、通過障害のある部位を押し広げ開通させます。 最後に卵管鏡を使い卵管内腔を観察して通過状況を確認します。
卵管鏡下卵管形成術(FT)で最も大切で時間のかかるプロセスが「卵管口を見つけ出すこと」です。
卵管口を探すのに時間がかかってしまったり、誤認して卵管に「はいったつもり」になったり、子宮内を見ているだけのこともあります。(図1)
卵管鏡は細いので、見える範囲が限られます。ピントも合いにくく画像も悪いため、広い子宮内から卵管口を探すことは困難。 その一方で子宮鏡は子宮内を鮮明に観察することができ、卵管口もすぐに見つけることができます。
この子宮鏡と卵管鏡を組み合わせることで、短時間で安全に卵管口を見つけ出し、卵管形成術を行うことが可能となります。(図2)
当院は、麻酔専任の医師が担当するので卵管鏡下卵管形成術(FT)を安全にそして確実に、痛みを感じることなく行うことができます。
※実際の手術動画ですので、血を見るのが苦手な方はご覧になる際ご注意ください。
1.細い卵管鏡を内蔵したカテーテルを膣から子宮へと挿入し、卵管口へ近づけます。
2.卵管口から、カテーテル先端に取り付けた弾力と伸縮性がある加圧されたバルーンを、押し廻しながら卵管のなかへ進めていきます。
3.卵管をバルーンで押し進めることで、卵管内の詰まりや癒着部分を拡げます。
4.カテーテルを卵管の端まで押し進め、開通後、バルーン中央に内蔵されている卵管鏡(外径0.6ミリ)をカテーテルと一緒に引き戻しながら通過性を回復した卵管内腔を連続的に細かく観察します。
卵管鏡下卵管形成術(FT)は、高額療養費制度の対象となりますので、ご希望される方は、ご自身で手続きをお願いいたします。
事前に認定証をご提示いただければ、窓口でのお支払は自己負担額限度額までとなります。
(注:自己負担限度額は、個人の所得額に応じて異なります。)
所得区分(標準報酬) | 自己負担限度額(目安) |
83万円以上/月額 | 約26万円 |
53万円~79万円/月額 | 約17万円 |
28万円~50万円/月額 | 約9万円 |
26万円以下/月額 | 約6万円 |
住民税非課税者等 | 約3.6万円 |
マイナ保険証をご利用の場合は事前のお手続きなく、限度額情報の提供に同意をすることで、高額療養費制度における限度額を超えるお支払いが免除されます。限度額適用認定証の事前申請は不要となりますので、ぜひご利用ください。
卵管鏡下卵管形成術(FT)は、高額療養費制度の対象となっていますが、手術当日までに認定証のご提示がない場合には、窓口にて自己負担分の治療費を全額お支払いください。
その後、「療養費の申請」をしていただきますと、自己負担限度額との差額が、後日、ご加入の医療保険の保険者より支給されます。
窓口お支払い額
約14万円(健康保険3割負担)
約28万円(健康保険3割負担)
ご自身が加入している公的医療保険(健康保険組合・国民健康保険等)に、「高額療養費の支給申請書」を提出、または郵送にて認定書の交付を申請してください。
医療保険の種類につきましては、保険証の表面にてご確認ください。
タイミング法の妊娠確率は?
タイミング法とは、超音波検査を用いて卵子が入っている袋の大きさを計測し、排卵日を推測する方法です。その推測される排卵日に夫婦生活を行い妊娠を目指します。妊娠率は年齢によって大きく異なりますが、一回当たりの妊娠率は約30%程度とされています。
一方でタイミング法を3回行っても妊娠に至らない場合、引き続きタイミング法を続けた際の妊娠に至る確率は5%以下であることが分かっています。
人工授精の妊娠確率は?
人工授精とは、排卵日にご主人の精液をカップに入れて持参していただき、そこから“元気で正常な精子”だけを選別し集めて“子宮内に直接注入する”方法です。
基本的にはタイミング法と大きくは変わりませんが、“元気で正常な精子”だけを集めて“子宮内に直接注入”するため、ご主人の精子の状態が好ましくない場合や、子宮の入り口の問題があるために精子が卵子と出会えない場合に有効です。妊娠率は、年齢によって異なりますが、一般的には10%程度とされています。
『FT』による治療を行ってから3ヵ月を経過しても妊娠に至らない場合、『卵管』の問題以外にも原因が重複して存在する可能性が高いと考えられます。このような場合、自然妊娠にこだわらず、できるだけ早く体外受精(高度不妊治療)に進むことをお勧めします。
厳しい言い方かもしれませんが、結果の出ない治療を続けることは、患者様の卵巣年齢を低下させる可能性があります。早期の段階で適切な治療に切り替えることが重要です。
小田原マタニティクリニック
〒250-0045 神奈川県小田原市城山2-1-5
Tel. 0465-35-1103
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
9:30-12:00 | ● | ● | - | ● | ● | ● | ● (初診) |
17:30-19:00 | ● | 手術 | - | 手術 | ● | 手術 | - |
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15:00-18:00 | ● | ● | - | ● | ● | - | - |
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